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社長通信2025.06

  • humanlink9938
  • 7月4日
  • 読了時間: 2分

家事援助・生活支援と家事代行

 2000年の介護保険開始時には訪問介護の種別は身体介護・家事援助・複合型介護と3種類だったのですが、2018年大幅な改定がなされ、複合型介護はなくし、身体介護と生活支援に変えられました。

 当初家事援助は、「他人」に介護を頼むことに馴染んでいない国民に対して、生活の便利さを売りに利用を促しました。ところが時が経つと利用者は爆発的に増加し、介護保険の財政的、人材的不足に見舞われました。慌てた厚生省は2018年「単なる家事代行は廃用症候群を引き起こし、介護度・障害程度の悪化をもたらすことになる」と大キャンペーンを繰り広げ、「介護の軸は身体介護」と報酬においても身体と家事に明確に分け(ボディタッチが身体、それ以外は家事援助)、身体介護以外を生活支援という呼び名に変えました。お陰で制度の財政的負担は軽くなりましたが、その分介護事業所は財政的ピンチに陥りました。

 そもそも、作業療法士のテキストにもあるように、人の日常動作はADLと呼ばれ、それを支援するのが介護の目的です。ADLは食事・排泄・清拭・就寝といった身体介護が伴うBADL(ベーシックADL)の支援と、金銭管理や調理・掃除・洗濯といったより知能的に複雑な行為であるIADL(インスツルメンタルADL)に分けられ、後者がより知能的で高度な能力が問われると言われています。

 この後者の介護をより「低額」なサービスとしたのは家事援助が家事代行であるという過去の印象を引きずった結果です。「自立支援のための見守り的援助」がいかに大変か、子育てを経験した人ならすぐわかるはずです。

 自立のために見守りしているよりは、「私が、俺がやった方が早い」と子供にさせないことになることは日常の出来事でしょう。でもそれでは子供の処理能力が上がらないことは皆承知です。

 見守ることは代行することより難しいのです。けどそれをすることが理想です。 

西邑みちお

 
 
 

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