「レディーメイド型介護とオーダーメイド型介護」
介護サービスのあるべき姿を探ってゆくと、「レディーメイド」と「オーダーメイド」という服飾の言葉にたどり着きました。ご存じのように「オーダー」=注文が入る前にデザインして標準服を作るのが「レディー(準備された)メイド」で、「オーダー」=「注文」が来てからデザインし、作るのがオーダーメイドですね。
私たちの介護の世界でいうと、個人の勝手気ままな生活ではなく、介護度に応じて決められた施設等で介護するのが「レディーメイド型介護」で、利用者には完全に予定調和が強いられます。食事、排泄や趣味の世界までが予定されています。
それに対して、大まかなサービスのアウトラインはあっても、千差万別な注文(オーダー)に可能な限り個人のオーダーも対応するのが訪問介護と言えるでしょう。(もちろん全てに対応できるわけではありませんが)
かといって服飾と同じで、オーダーメイドが全て良いかというと、「費用的に割高になる」「同じく公的サービスなのに当事者によってはする、しないの格差が発生する」といった問題が生じるでしょう。国が施設介護を優先的に進めるのは、そういった主に費用、人財からでしょう。
どっちが良いか悪いかではなく、どちらを選択するかは利用者もしくは家族の選択に任されると思います。私たちはオーダーメイドである訪問介護を自覚して、できる限り利用者のオーダーにこたえる方法を考えるしかないでしょう。
西邑みちお
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