「介護職のやりがいとは」
先日20代の若者と「介護事業もしくは介護業界」について討論する機会がありました。
ヤングケアラーが注目される反面、「若年世代が介護・福祉業界にあまり関心を寄せない理由は何かな?」という問いを投げかけてみました。
「賃金が低い、労働条件が悪い、大変な仕事だ…」というマイナスイメージなのかなと思ったのですが、今の若い子は意外とそういった目先の利益というよりも、「将来的な目標が描きにくいという事の方が問題だ」と指摘されました。
「大変だろうな、というイメージは確かにあるのだけれど、そもそも介護の仕事・職場を見たり接したりする事が少ないので、具体的に何が大変なのかといったイメージもわかない。」というのです。
「家に高齢者(祖父母)がいても介護するのは親の仕事、自分たちは遠巻きにかかわる事はあっても、直接かかわる事はない。」というのです。最近注目されているヤングケアラーは少数だという事ですね。確かに自分の若い頃を振り返っても同じでした。
「同じケアでも、医療の世界は病院で見聞きする事は多いし、保育の世界は実体験しているので、イメージは描きやすい。」というわけです。
さて、個人情報保護の観点もありますが、障害や高齢者介護は表に出さない文化が日本にはあります。コロナ最盛の時期に、日本人がマスクを嫌がらない国民性があるとよく指摘されましたが、いまだにマスクする人は多いです。話を聞くと
「マスクで顔を隠している方が楽だ」という意見をよく聞きました。これは日本人の隠す文化、秘める文化の表れかとも思います。人前で大きな口を開けて食べない、話さない、自分の欠点や短所は恥として出来るだけ隠して生きる…。家族の中でもそうですが、家族以外とは大きな壁を作って生きるのが当たり前ですね。
みんなが一生懸命隠している事を暴き出して(何でもかでもではないですが)お世話するのが介護の仕事です。元々この仕事に触れ合う人が多いはずはないんですね。
しかしやりがいはあります。人が何とか前向きに生きる事を支える仕事ですから、やりがいは絶対にあります。それがあるから皆働いているのではないでしょうか。そのことを若い人たちに伝える事が出来ればいいのですが。
西邑みちお
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