「全ての人が理解者というわけではない」
日本でも有数の繁華街、東京銀座での白昼の高級腕時計強盗。どう考えても逮捕されるだろうと思われる犯罪が増えています。しかも、ネットの闇バイトに応募しただけで、その日まで顔も知らない相手と…。
幼児期の心理学テストとして「心の理論(ToM、Theory of Mind)」の理解度を調べるというのがあります。「AさんとBさんがいて、Aさんはカゴを、Bさんは袋を持っています。Aさんはカゴにボールを入れました。Aさんが席を外した時にBさんがボールを自分の袋に入れました。Aさんが帰ってきたときボールはどこにあると思っているでしょう?」という質問です。
「心の理論」を理解している人は「カゴを探す」とこたえるはずです。でも質問された人が自分を中心とした考えしかできないとしたら、「袋を探す」と答えるのです。つまり相手の立場や気持ちを想像する力が弱いという事です。そのことが大きくなっても発達しないと、程度によればサイコパス、やソシオパス「反社会的人格者、反社会的パーソナリティ」と評価されかねません。
問題は、そういった「相手の気持ちが理解できない」という人たちが犯罪者とは限らないことです。気持ちは理解できないけど、何が犯罪かは知っているという人が居る。むしろそういう人の方が多いだろうと思われることです。
人類の歴史からいうと理不尽な殺人、戦争は未だに繰り返されています。反社会的特性の程度を表すのがCU特性(Callous-Unemotional Traits)と言われますが、このCU特性が高いほど戦時では英雄となる可能性が高いのです。日本に原爆を落とした人はアメリカでは世界大戦を止めた英雄として勲章をもらっています。怖い話です。
社会全体の見方からすると私たち介護者の仕事は「無駄で、要らない仕事だ」と思っている人もいるという事です。私たちの仕事が全ての人に理解されているわけではないという事も知っておくべきなのでしょうね。
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