歌う事は介護予防
昨年4月から新規事業としてカラオケ店を始めました。介護事業と音楽、結び付けて考えるのが難しいようです。「なぜ?」とよく聞かれます。
2018年から国の介護事業は大きく方向転換しました。もう言葉ではご存じだと思いますが、従来の「介護が必要となった人に介護を提供する。」という事から「介護が必要になる前に予防する。必要になってもできるだけ自分でできる事は出来る様に自立を促進する。」という方向に舵を切り替えたという事です。つまり、介護が必要になってから介護をするのでは遅い、特に家事代行を積極的に進めると「廃用症候群」に陥り、介護度は進むばかり。これからは、単に介護費用の節減だけではなく、「永く生きる価値を見つけよう。」という事です。
確かにそれは言えると思います。私自身、65歳を過ぎたここ数年、怪我をしたり、入院したりで介護を受けることを経験しました。要介護になったのです。そういう立場になると、必要な介護はお願いするとしても、ただただ介護に甘んじていると、生きる希望が薄れてゆきます。一度しかない人生、できる事を探して進むべきだと心から思いました。
そこで介護予防です。国は介護予防の大きな柱として3つ打ち出しています。一つは十分な栄養補給。もう一つは適度な身体機能の維持。そして、それらにつながる口腔ケアです。
よく口腔ケアと言えば歯磨きやうがいなどを想定しますが、口は良いも悪いもすべての入り口です。そして声や息の出口でもあります。歯や舌を使う事、口の周りの筋肉を使う事が若さと健康の大きなポイントになります。
もうお気づきですね、歌う事は健康と介護予防に最適なのです。そして音楽全般からいうと聞くこと、楽器を奏でる事もメンタルケアや知能の覚醒・認知症予防に最適です。音楽療法士は日本ではまだ国家資格にはなっていませんが、アメリカやヨーロッパなどではしっかりとした資格であり、様々な取り組みがあります。ヒューマンリンクの介護の特色として音楽を取り上げたいと模索しています。
西邑みちお
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